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南京工場大爆発 人々は蚊帳の外―報道から見えた官僚の思惑

2010年08月01日

【新唐人2010年8月2日付ニュース】7月28日、中国・江蘇省の南京にあるプラスチック工場で爆発が発生。現場はまさしく生き地獄ですが、メディアはほとんど伝えていません。当局から、強い圧力を受けたためです。偶発的な事故のはずなのに、なぜ当局はこれほど敏感なのでしょうか。ここからは、中国の官僚のある思惑が透けて見えます。

大規模な爆発が発生した当日、テレビは1分にも満たない簡単なニュースを流しただけでした。翌日の新聞の一面にも、関連報道は見当たりません。
 
『江蘇テレビ局』が現場から実況中継しようとすると、その場にいた官僚がやって来て記者に「誰が中継を許した?」と問い詰めます。結局、中継は出来ませんでした。
 
香港の雑誌『開放』の編集者、蔡さんは『ボイス・オブ・アメリカ』に対し、「官僚は偶発的な事故を、自分に都合の良い話に作り上げる」と述べました。
 
中国では重大な事件が起きると、官僚の功績に傷がつき、今後の出世に影響します。だから、必至になって真相を隠そうとするのでしょう。
 
『南方都市報』によれば、爆発事故の現場へ最初に駆けつけたのは、『南京テレビ局』。すぐに実況中継を始めました。しかしこの結果、上からは厳しくとがめられたそうです。
 
一方、官僚の圧力に遭った『江蘇テレビ局』も同様に非難されました。しかも、実況をしようとした番組は、放送停止に遭う恐れがあります。
 
蔡さんによれば、現在、大きな事故や事件の報道は強い締め付けに遭っています。多くの場合、地元の官僚の功績に影響するからです。だから、報道する場合でも、悲惨な現場の様子は出来るだけ避けて、救助活動や視察する幹部の様子を繰り返し報道します。
 
つまり中国における事件や事故の報道では、真実を伝えるのが目的ではなく、指導者の振る舞いをたたえるのが目的となってしまっているのです。
 
例えば中国国営の『中央テレビ』。病院での緊急治療が報道の中心です。人々が本当に知りたい、現場の様子や生活への影響、原因などはほとんど伝えていません。
 
新唐人記者がお送りしました。

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